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嗚呼青春のソース後がけやきそば

じつに十ン年、いや二十年ぶりだろうか。食べ盛りの中高生時代にここのやきそばのお世話になったという人も多いことと思う。かつては市内に数店舗あったが、今では大通西4丁目にあるこの一店だけになってしまった。
並、大盛と来て以降ボリュームが増えるごとに「ジャンボ」「スーパージャンボ」「ミラクルジャンボ」「ウルトラジャンボ」「これでもくらえ」「死んでもしらねぇ」「しんじられねぇ」と続くメニュー名は健在だ。ちなみに「しんじられねえ」は12人前である。が、今日は小腹を満たすために入ったので並(290円)+ポークソーセージ(+80円)にした。
ここのやきそば、具はキャベツのみ。鉄板で炒められたやきそばには味が付いていない。客が好みに応じてカウンターの上にある特製ソースやゴマ酢しょうゆ、キムチ、焼肉ソース、ラー油など数種類のソースを「後がけ」するのだ。昔はアメリカソース、インドソース、ソビエトソースなんてのもあったはず。ソビエトってところがなんとも「時代」である。中身はホワイトソースだったと記憶している。
でき上がってきたやきそばには、縦半分に切ったソーセージが3つ(つまり1.5本)。紅生姜をわさっと乗せ、まずは特製ソースを軽くかけて一口。あーそうそう、この味ですよこの味。一瞬であの頃に戻るね、俺の舌。続いてゴマ酢しょうゆ、しょうゆとマヨネーズのコンビ、カレーソースといった具合に味の変化を楽しみつつ、最後はやっぱり特製ソースで〆、というフォーメーションで攻める。あっという間に味覚のタイムトラベル終了。
「やきそばっていやぁ鉄板でジューッと焦げたソースの匂いがいいんじゃねえか」と思われるかもしれない。いやまったくおっしゃる通り。現に高校生だった当時の僕でさえ、安いから通ってたものの、どこかで「こんなのやきそばじゃない」といつも小馬鹿にしていたものだ。しかし久々に食べるとこれもまたよし、という気分になるのが不思議である。厳密に「やきそばの味か否か」と訊かれるとやっぱり「?」が付くのだが、これはこれで何か別の食べ物だと思えば悪くない。多分ノスタルジーも加味した大甘採点なんだろうけど。
店内には昔と変わらずどかっと盛られたやきそばをかき込む高校生たちの姿が。最後の一店、これからも若者の胃袋を「これでも食らえ!」と挑発しつつ、末長く続いてほしいものである。
izumi★★★☆☆


